DMMバヌーシーは投資商品でなくサロンサービスである!
一口馬主界隈で話題になっている、DMMバヌーシー。
まさに賛否両論、嫌いな人は代表者の人格まで含めてサービス全体をボロクソにこき下ろしていますが、そんなに単純な話ではないと思います。
みなさん勘違いしているのですが、DMMバヌーシーは一口馬主サービスではなく、馬を通じたサロンサービスなんです。
なぜサロンサービスなのか。それは馬代金がとにかく高すぎるので、投資代金を回収できるとは到底思えないからです。
DMMバヌーシーで黒字を出すのはかなり難しい
毎月の預託金料が発生しない買い切りシステムのため、諸経費などが未来の分までドカンと乗っているのはわかるのですが、セリで超高額で落とした馬に、本当にこんなに必要なの?という、かなりの手数料を乗っけて売っていることも事実なわけです。
最低でもジャスタウェイ級の活躍をしなくては、投資代金を回収できないような馬もいます。
社台のような早期引退での精算金システムもあるとはいえ、これは赤字がある程度補填されるというだけの話で、バヌーシーを使って儲けるというのはかなり難しいでしょう。
したがって、感動の共有というのが一番の報酬である以上、これは投資商品の形を借りたサロンサービスですね。
実際にDMMバヌーシーの代表さんも、金融商品としては元が取れないとご自身で言っておられますし、個人的にこの方針は潔くて好感が持てます。
バヌーシーは高額馬ほど元が取れない(気がする)
先述のように、馬代金にはパーセンテージでDMM側の儲け分が入っており、高額馬ほど元が取れなさそうになっているのが辛いところです。競馬の賞金は馬代金に応じて増減しないので、当たり前ですが。
なので「元が取れない前提ならPOGでいいのではないか」「サロンサービスなら初めからファンクラブでええやんけ」と言われれば、ちょっと返す言葉がないでしょう。
募集総額は1頭あたり1億円~4億円ほどになると思いますが、社台やキャロットなどの大手の一口馬主クラブでは、募集馬の平均獲得賞金が3000万円程度になるので、かなりキツい勝負だという印象です。
抽選落ちがないのは画期的にすばらしい
とはいえバヌーシーも悪いところばかりではなく、システム全般で見れば、むしろいいところのほうが多いです。
まずなんといっても1万口に分割されているので、抽選落ちがないということ。
既存の一口馬主クラブでは、一頭が10-500口程度に分割されているため、知恵を絞って、考えに考えて申し込む馬を選んでも、抽選で落ちてパーという超しょっぱいことになりがちなのです。
渋々買った馬が凡走しては、感動の共有なんて土台無理でしょう。
このあたり、DMMの販売力をバックに、一万口に分割すると決めたバヌーシーは素晴らしいシステムだと思います。
バヌーシーのアプリの出来はかなり良い
あとは、アプリの出来がとにかく良いですね。ウイニングポストをオンライン化して、リアル世界に持ち込んだらこういう感じでしょう。
馬の近況を動画で事細かに教えてくれるのも、大変よいと思います。
情報提供に関しては、社台グループオーナーズなどより全然手厚いです。
社台系列の馬で、DMMのほうがしっかり取材しているのは、社台なにやっとるねんという感じですが、これも馬代金に映像制作費用がバッツリ乗っているからこそできるわけで、やはりこれは一口馬主の形を模したサロンサービスですね。
ワナダンスの2015を買ってみた
DMMバヌーシー、儲かるとは思えないのですが、売り物がよくないだけで、サービス自体は大変よいと思います。
文句ばかりつけているのも申し訳ないし、純粋にDMMバヌーシーを応援したいという気持ちもあるので、一口買ってみました。
選んだのはステイゴールド産駒、ワナダンスの2015。これは馬代金が10000円の1万口なので、総額1億円ですね。
進上金その他を考えると、うまいことGIを1発・GIIを2発ほど勝ってくれれば、黒字になると思います。
(逆に言うと、一番高い馬は43500円の1万口なので、こりゃどれだけ勝たなアカンねん、というところです)
売れ残りがかなり出ている?
以上のように、DMMバヌーシーは、馬代金が高すぎる以外は素晴らしいサービスです。
来年度は超良血でなくてもいいので、ピリッとした血統の格安馬をラインナップに入れてほしいところです。
馬代金からパーセンテージでDMM側の利益を抜いているので、高額馬を揃えなくては儲からないのはわかるのですが、売れ残りが続出して、このままサービスが潰れてしまうのではないかと心配にもなります。
実際、DMMバヌーシーの代表である野本巧さんのツイートを見ると、
DMMバヌーシー
8/17 24:00現在
申し込み人数
11,216
開設済口座数
6,168
購入済会員数
2,105
まだまだ売れてないですが、
近況動画とバヌーシーコミュニティの雰囲気に感無量です。
8月末のコミュニティ改修後が今から楽しみです。
ということで、残念ながら売れ行きは芳しくないようです。
9頭を1万口ですから、トータルで9万口売らないといけないわけで、確かにしんどいでしょう。2018年の募集もそろそろ終わってしまいますが、大量の売れ残りを出しているようです。
なくなってほしくない、DMMバヌーシー!
とはいえ野本さんのツイート通り、バヌーシーのコミュニティの雰囲気はとてもいいのです。
競馬ファンや、競走馬購入者の裾野を広げるためにも、競馬会である程度重要な存在になっていると思います。
(ちなみに社台の会報で吉田照也さんも似たようなことを書いていました)
なので太く短くではなく、細く長く広く、DMMバヌーシーの世界を広げていってほしいです。