馬主になるには日記

馬主になるまで知らなかったこと

競馬オタクなのに馬主になるまで知らなかったこと

Twitterで「馬主になるまで知らなかったこと」をツイートしたら結構反響がありましたので、こちらでも私の知らなかった体験をまとめておきたいと思います。

川崎競馬場

トレーニングセールの馬は全てが即戦力ではない

一番びっくりしたのはこれ。トレーニングセールに出てくる馬の多くは、セール当日に最大のパフォーマンスを発揮するよう調教されているので、セール後にはガタがきます。なので買ってから休養させたり、馬を作り直したりする必要があるということです。なかにはゲートの練習をやっていない馬がいたりもします…。
もちろん普通に即戦力で走れる馬もたくさんいるのですが、それを見分ける方法は私ごときではわかりませんし、初心者が触ったらアカン世界やなと思いました。

新馬は育成がメチャクチャ大事

競馬ゲームには育成牧場は登場しないのですが、よくよく考えれば仔馬がアスリートになるための調教を施してくれるのが育成なわけですから、メチャクチャ大事ですよね。
人間で言えば中学校受験の塾のようなもので、みんな子供をSAPIXやらに入れてしこたま勉強させてるわけですから、馬にもよい育成を探すべきではないでしょうか。
「新馬は育成でだいたい勝負が決まる」「入厩の時点で馬がどう育成されてきたかわかる」「育成でいじめられてきた子は人を信用してない」等々、現場のみなさんからもあれこれ教えてもらいました。競馬の花形はなんといっても騎手と調教師ですが、育成を軽視したらアカンなあとしみじみ感じています。

門別競馬場の厩舎には育成の機能がある

新馬を買ってきたら育成牧場に入れ、時期が来たら競馬場やトレセンに入厩させるというのが通常のルートですが、門別競馬場は各厩舎に新馬育成のノウハウがあるため、育成からデビューまでワンストップで引き受けてくれます。長大な屋内坂路があったりと施設も充実しているため、最近は門別競馬場でデビューさせて、3歳で南関東に転厩させて、クラシックを狙いに来る馬がたくさんいます。

地方競馬でも馬主服が使える

門別競馬場などでは(2歳戦に限ってなどの条件付きで)馬主服を使うことができます。ホッカイドウ競馬のホームページにある「北海道競馬騎手服等取扱要領」を読むと、地方免許しかない馬主でも大丈夫のようです。
なお、南関東でも同様に馬主服を使うことができますが、こちらは中央競馬に馬主服の登録がある人のみに認められており、地方免許しかない馬主には適用されないようです。

入れたい厩舎にはまず入れられない

ウイニングポストであれば、まずリーディング中位くらいの調教師とバッタリ出会いがあり、友好度1くらいでも馬を預けることができますよね。そして数年経ったらもうトップクラスの厩舎に馬を預けていると思います。ところが実際はそんなに簡単ではありません。今は地方競馬も中央競馬も馬が余りまくっていて大変なので、コネクションがないと中位~上位の厩舎には入れることはできないはずです。
ただし新馬はちょっと扱われ方が違うらしく、そこそこしっかりした血統なら中位~上位の厩舎にも受け入れてもらいやすいようです。また調教師の方から声がかかったり、牧場や育成が話をつけてくれたりすることもあります。

100万円以下の馬が普通に売買されている

競馬ゲームをやっていると、馬は安くても1000万、2000万の世界ですが、実際はセリでも100万円を下回る馬がいたり、数十万円で庭先取引される馬がいたり、また抱き合わせ販売やオマケとして、まとめていくらで売られてくる馬がいたりします。

レース写真や口取り写真は専門の業者さんが撮ってくれている

愛馬のレースは写真に残しておきたいし、勝ったら口取り式をやりたくなるものですが、その写真は自分で撮らなくてはならないと思いこんでいました。
実際は(南関東の場合しか知りませんが)プロのカメラマンが競馬場に常駐しており、レース写真や口取り写真を撮影して販売してくれます。また、お願いすれば額装もしてくれます。
段取りをちゃんとすれば自分でも撮れるかなと思っていたのですが、負けた場合はともかく、勝った場合はお礼や口取りでレース直後からバタバタしているので、自分で撮影するのは相当な無理ゲーではないかと思いました。

ネットオークションで普通に馬が買える

これもびっくりしました。楽天とノルマンディーが組んでやっている「サラブレッドオークション」というサイトがあり、オンラインで馬が買えてしまいます。
実際にサラブレッドオークションで馬を買って、南関東で勝利させた馬主さんにインタビューしていますので、興味があれば「サラブレッドオークションで馬を買ったサラリーマン馬主の話」を読んでみてください。

地方競馬なら馬の維持費はそれほどかからない

中央競馬と違って地方競馬では、たいていの馬は月1、2回ほどレースに出走します。そして競馬場から支給される出走手当がそこそこ充実しているため、怪我せずに走り続けられればですが、ならすと毎月の維持費は10万円くらいで済んでしまいます。

獣医代が人間と比べるとメチャクチャ高い

保険が効かない動物病院で大型動物を見てもらっていと考えれば当然なのですが、馬がちょっと怪我をしたり、軽く風邪をひいたりするだけで数万円蒸発します。

装蹄代が毎月発生する

馬の蹄鉄は消耗品のため、打ち替えの作業が毎月発生します。1回15000円から20000円ほどだと思いますが、地味に痛いです。とはいえ馬は蹄が命。ここをケチっていては元も子もないのでありました。

馬主だからといってモテることはない

最後はこれ。ヤバい人だと思われることのほうが多いです。ぶっちゃけぜんぜんモテません。そういうのを期待している人は、普通に高級車なりマンションなりを買ったほうがよいと思いました!

  • この記事を書いた人

田中(あらいちゅー)

2018年のサマーセールでサウスヴィグラスの牝馬を購入し、新馬→2走目と連勝し、1年間足踏みしたのち念願の3勝目を獲得。川崎と盛岡で共有馬主もしています。詳しい自己紹介は運営者情報からどうぞ。

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