書類を揃える上での注意
地方競馬の馬主申請には、驚くほど多くの公的書類を集める必要が出てきます。年収要件はそれほどでもないので、ある意味これに耐えられるかが、馬主になれるかの分かれ目と言ってよいでしょう。
必要な書類は「馬主の登録申請書類(個人馬主用)の送付について[PDF]」に全て書いてありますが、一部わけのわからないものや、自治体によって呼び方が違うためにそのまま申請しても取得できないもの、法務局で取得してくださいとあるのに法務局に行っても出してもらえないものがありますので、躓きそうな(というか躓いた)書類についてこのページで補足します。
※なお、面倒くさいので行政書士に依頼するという方法もあるようです。個人的には、三万円くらいなら依頼してもいいと思うほど面倒でした。
申請書
こちらは地方競馬全国協会「地方競馬の馬主申請Q&A」のページ最下部からダウンロードできますので、普通に記名押印してください。
預託予定調教師などの欄は、勝手に「いつかは浦和の小久保智師に預けたい~」「じゃあぼく船橋の川島正一師~」とか言って、勝手に名前を書くと揉め事になりますから、きちんとお知り合いの先生の名前を記入してください。
知己の先生がいない場合は、各地域の馬主会や調騎会に相談する、ホームページを開設している調教師の先生に直接問い合わせる(その厩舎への預託が前提になるでしょう)、社台グループオーナーズ・ビッグダディオーナーズクラブなどの一口馬主クラブを通じて申請する、といった手段があります。
個人的には、どの馬をいつ買ってどこに預けるか馬主申請の時点でわかるわけがないのですから、馬代金や維持費がかかったとしても、一口馬主クラブを通じて申請するのが一番合理的だと思います。
地方競馬馬主会、調教師会連絡先一覧
馬主会名 | 連絡先 | 調教師会名 | 連絡先 |
北海道馬主会 | 01456-3-2737 | 北海道調騎会 | 01456-2-0907 |
ばんえい競馬馬主協会 | 0155-41-8818 | ばんえい十勝調教師会 | 0155-33-3110 |
岩手県馬主会 | 019-654-8287 | 岩手県調騎会 | 0197-23-2999 |
埼玉県馬主会 | 048-882-1697 | 埼玉県調教師会 | 048-878-2473 |
千葉県馬主会 | 047-431-7201 | 千葉県調教師会 | 047-431-2035 |
東京都馬主会 | 03-3761-2779 | 東京都トレーナー倶楽部 | 03-3761-8522 |
神奈川県馬主協会 | 044-246-5050 | 神奈川県調教師会 | 044-522-5374 |
石川県馬主協会 | 076-258-5741 | 石川県調騎会 | 076-258-5724 |
岐阜県馬主会 | 058-388-1213 | 岐阜県調騎会 | 058-387-7426 |
愛知県馬主協会 | 052-651-8941 | 愛知県調教師会 | 0567-68-2929 |
兵庫県馬主協会 | 06-6493-3681 | 兵庫県調教師会 | 06-6491-0888 |
高知県馬主協会 | 088-841-1952 | 高知県調騎会 | 088-841-5123 |
佐賀県馬主会 | 0942-82-0752 | 佐賀県調騎会 | 0942-83-4598 |
印鑑証明書
お住いの役所で取得します。印鑑を登録するものですので印鑑が必要になります。
馬主登録申請以外にも、けっこう色々なことに使いますので、未取得の方は100円均一のハンコとかではなく、そこそこきちんとしたハンコ(1500円とか)を登録しておいたほうがいいと思います。
登記されていないことの証明書
「成年被後見人及び被保佐人とする記録がないことを東京法務局登記官が証明した書類」ってなんのことやねんという話ですが、要するに誰かに助けてもらわないと生きていけない人間ではありません、という証明です。
これは法務局で申請しますが、その地域の本局でないと発行できないと言われる可能性があります。小生は新宿の法務局に行ったら駄目で、結局、東京法務局まで行くことになりました。
身分証明書
「成年被後見人とみなされる者及び被保佐人とみなされる者並びに破産者で復権を得ない者に該当しないことを本籍地の市区町村長が証明した書類」というのもまたワケがわかりませんが、要するに破産者ではないという証明です。
これは本籍地で取得する必要がありますから、そこまで出向くか郵送で申請する必要があります。だいたいの自治体では郵送で取得可能です。本籍地の自治体のホームページを参照してください。
ただし、自治体によっては「身分証明書」という呼び方をしていないところがあります。その場合は「成年被後見人とみなされる者及び被保佐人とみなされる者並びに破産者で復権を得ない者に該当しないことを本籍地の市区町村長が証明した書類がほしい」(長い…)と役場の方に問い合わせてください。
本籍地がわからないという方へ
本籍地がわからないという方は、ICカード化以前の免許証をお持ちなら、そこに書いてあります。免許証をお持ちでない場合は、住民票をお住まいの地域で取得する際に、本籍地情報も記入するようお願いすれば記載されて出てきます。
念書
こちらは地方競馬全国協会「地方競馬の馬主申請Q&A」のページ最下部からダウンロードできますので、普通に記名押印してください。
経歴の概要を記載した書類
こちらは地方競馬全国協会「地方競馬の馬主申請Q&A」のページ最下部からダウンロードできますので、普通に記名押印してください。
所得証明書
これはアとイの2種類が必要です。片方だけではなく2種類です。
「ア.所轄税務署又は市区町村長が発行する所得証明書」は、お住いの地域の役場で発行できます。ただし困ったことに、自治体によってはこの書類は呼び方がまちまちで、新宿区などでは「所得証明書」と言っても通じませんでした。その場合は係の人に「年収と納税額が記された書類はないか」と問い合わせてください。それに準じるものがあるはずです。
「イ.所得税確定申告書(税務署受付印のある自己保有分の控)又は源泉徴収票(それぞれ写しでも可)」ですが、これは簡単ですね。確定申告に使った書類の控え、もしくは支給された源泉徴収票の写しです。
世帯全員の住民票の写し
普通の住民票です。これはお住いの地域の役場で取得できます。
戸籍謄本
普通の戸籍謄本です。これは本籍地の役場で取得できます。だいたいの自治体では郵送で取得可能です。本籍地の自治体のホームページを参照してください。
写真3葉
証明写真です。馬主登録証にプリントされますから、かっこよく撮りましょう。
指定通り、縦正面上半身無帽、申請前3か月以内に撮影したカラー写真、裏面に氏名を記載、縦3センチ、横2.4センチです。うち1葉は申請書に貼付、残りは同封して送付します。
必要書類のすべて
最後に、必要書類のまとめを再掲します。取り逃しのないようにしてください。
1.個人申請の場合
① 申請書(様式第5)
② 印鑑証明書(申請前3 か月以内のもの)
③ 登記されていないことの証明書(成年被後見人及び被保佐人とする記録がないことを東京法務局登記官が証明した書類)
④ 身分証明書(成年被後見人とみなされる者及び被保佐人とみなされる者並びに破産者で復権を得ない者に該当しないことを本籍地の市区町村長が証明した書類。)
なお、申請者が外国人である場合は、その旨を記載し記名押印又は署名した書類………様式 念書(甲)
⑤ 念書〔競馬法施行規則第 1 条の 9 第 2 号(禁錮以上の刑に処せられた者)及び第 3 号(競馬法、日本中央競馬会法、自転車競技法、小型自動車競走法又はモーターボート競走法の規定に違反して罰金の刑に処せられた者)に該当しない旨を記載し記名押印又は署名した書類〕………様式 念書(乙)
⑥ 経歴の概要を記載した書類………様式 経歴書
⑦ 所得証明書(ア及びイの2 種類必要です。)
ア.所轄税務署又は市区町村長が発行する所得証明書
イ.所得税確定申告書(税務署受付印のある自己保有分の控)又は源泉徴収票(それぞれ写しでも可)
⑧ 世帯全員の住民票の写し(申請前 3 か月以内のもの)
⑨ 戸籍謄本(申請前3 か月以内のもの)(外国人は除く。)
⑩ 写真 3 葉(縦正面上半身無帽で申請前 3 か月以内に撮影したカラー写真であって、裏面に氏名を記載した縦 30 ㎜、横 24㎜のもの。うち 1 葉を申請書に貼付すること。)